いまさらながら「れいわ一揆」と「君はなぜ総理大臣になれないか」を見た

この二本は政治をめぐるドキュメンタリー映画だ。どちらも2020年に公開された。ある人物の選挙活動を追ったドキュメンタリー映画である。日本の政治に対する停滞感、強い不信感がこれまでに無いほど高まっている状況の中でこの二本の映画が同じ年に公開され…

木と物づくりについて考えた

木工作品の多くは作る側の都合が目についてあんまりきの持っている生命力が感じられないものが多い気がする。高度な加工技術を発揮したいとかこういう形が加工しやすいとかそう言うことが伝わってきてしまう。木と人は途方もない時間の付き合いがある。特に…

「庭とエスキース」を読んで

奥山淳志 著 北海道の新十津川で一人丸太小屋に住み自給自足を送る老人、弁造さんの元に通い共に過ごした写真家のエッセイ。弁造さんは大正生まれで北海道開拓時代の最後の世代だ。巨木が生える原野を家族で力を合わせて人々が暮らせる土地に作り上げてきた…

「バトルロワイアル」を見て

深作欣二監督 2000年公開 仁義なき戦いを見てから深作作品にハマってしまった。彼の作品のカメラワークのダイナミックさが好きだ。ライトノベルやアニメで一時期流行った多くのバトルロイヤルものがこの作品の影響下にある。日本のサブカルチャーに多大な影…

なんだかんだでもう7月になってしまった。一年の半分が過ぎた。暑くなってきたが白州は暑さの中にもまだ爽やかさが残っている。相変わらずコロナウイルスの感染者は増えている。検査をしていなかったからこれまでは数が少なくて、いまはしっかり検査している…

2020/06/16 日記

もう季節が進んで夏至が近づいてきた。地元に戻ってきたのはまだ桜が咲き始める前だったのに。時間が経つのが早い。残り少ない大学生活が終わろうとしている。この3ヶ月間は畑を手伝ったり、本を読んだり、映画を見たりしている。いろんな動画を見て勉強した…

「オリーブの森で語り合う」を読んで

1984年 M・エンデ、E・エプラー、H・テヒル著 今から36年前に西ドイツの知識人が、ファンタジー、文化、政治について語った対談集だ。この本の中で語られている問題は一つも解決していない。むしろ悪化し続けているようにさえ感じてしまう。ディストピアは容…

2020/06/15 日記

農作業中に放送大学を聞いている。黙々と作業するだけでは時間が勿体無いと感じてしまうからだ。少し気になっていたけど本を読むまでにはいかない分野の知識が得られてとても勉強になって楽しい。勿論、デメリットもあって作業後の疲れが尋常じゃなくその後…

「マーウェン」を見て

2018年公開 ロバート・ゼメキス監督 「BTTF」シリーズや「フォレスト・ガンプ」を手がけたゼメキス監督の公開されている作品では最新作。ゼメキス監督は割とご機嫌な作品が多いため、よーしご機嫌になるぞと思って見たがそうではなかった。「キャストアウェ…

「忘れられた巨人」を読んで

カズオイシグロ著 あらすじ 舞台は3世紀から5世紀のアーサー王が無き時代のグレートブリテン島。謎の霧が原因で人々の記憶はぼんやりとしてしまう。ある村の夫婦が息子を探しにいく旅に出る。その途中に鬼に襲われたという少年や若い戦士と出会い旅路を共…

2020/06/12 日記

今日は午前中、蒔いた小豆が十分に育ったので苗を畑に植え付けに行った。だいたい150本くらい植えた。蒸し暑くて異常に喉が渇いて体力が奪われた。暑さだけじゃなくて湿度も体力を奪う要素なんだなと実感した。梅雨ってジメジメして鬱陶しい季節だけど、白州…

「風土ー人類学的考察」を読んで

和辻哲郎著 グローバル社会にとっての風土 高校の現代文で扱った文章で文明には牧場型と砂漠型とモンスーン型があることが書いてあったのを覚えている。勿論人の性格やその国の特徴をステレオタイプを語ることは危険なことである。和辻がこの論考を書いたの…

2020/06/10 日記

一日に2本も映画見てしまい、まさに暇な大学生だ。映画を見て、本を読んで感じたことを言葉にするようになった。いつまで続くか分からないができる範囲で続けてみたい。一度言葉にすることを覚えてしまうと頭の中で文章が溢れかえって現実がよく見えなくなっ…

「ホドロフスキーのDUNE」を見て

こんな人にオススメ 人生に悩んでいる人 SFが好きな人 監督フランク・パヴィッチ 2014年公開 こんな映画 「エル・トポ」や「ホーリーマウンテン」などのアートムービーで1970年代注目されていたホドロフスキーが世界最高の映画を撮ろうと世界最高峰のスタッ…

「モダン・タイムス」を見て

こんな人にオススメ 資本主義社会に疲れている人 元気をもらう映画を見たい人 1936年公開 チャーリー・チャップリン監督 資本主義批判としてのモダン・タイムス 今見ても色あせないメッセージ性がある。公開から80年以上たった今でも資本主義の労働の問題は…

「リアリティのダンス」を見て

こんな人にオススメ 2014年公開 アレハンドロ・ホドロフスキー監督 ホドロフスキー監督の両親と自身の原体験について物語。父は共産党員でウクライナから移民。母はユダヤ系ロシア人で父の代でアルゼンチンに移民してきた。鉱山の採掘が主な産業のチリのトコ…

「木工のはなし」を読んで

1993年 早川謙之輔著 この本は松本に行った時にふらっと寄った古本屋でたまたま見つけた。松本は民芸家具が盛んでこの本屋の近く民芸品を扱うお店がいくつかある。この本屋にも民芸関係の書籍や木に関する。大学に入る直前くらいから工芸に憧れを抱いていた…

「田園に死す」を見て

「田園に死す」 寺山修司監督 1974年公開 こんな人にオススメ 上京して自分に悩んでいる人 70年代のアングラカルチャーについて知りたい人 独自の世界観に浸りたい人 この映画を見て一番強く感じたのは新世紀エヴァンゲリヲンへ強い影響である。テーマとし…

「書を捨て街へ出よう」を見た感想

こんな人にオススメ くすぶっている青春を送っている人 表現のエネルギーを感じたい人 この映画は寺山修司監督で1971年の作品だ。寺山修司といえばアングラ演劇四天王と言われ団塊世代のサブカル好きに熱狂的な支持を得ていた人だ。今二十代前半の人にとって…

「それでも夜は明ける」を見て

こんな人にオススメ アメリカの黒人の歴史を知りたい人 胸くそな気分になりたい人 2013年公開スティーブン・マックイーン監督 最近アメリカでは黒人男性が白人警官による不当な暴力で命を落とした事件をきっかけにデモが行われている。人種差別は現在進行形…

なぜ就職という現実の前に立ちすくんでしまうのか

これは単なる弱音や不平不満かもしれない。立ちすくんでしまうには自分の内面的な原因だけではない気がする。とにかく自己責任論が跋扈しているこの日本社会。鬱という言葉が一般化したりADHD診断が話題になったり。やっぱり多くの人が生きづらいと感じてい…

タクシー運転手〜約束は海を越えて〜

こんな人にオススメ 韓国の現代史を知りたい人 頑張っているおっさんを見たい人 2017年公開 チャン・フン監督 この映画は1980年代に光州で起きた民主化デモを題材にした映画。ソウルでうだつが上がらない生活をしていたタクシー運転手がひょんなことからドイ…

ガブリエル・ガルシア・マルケス著 「百年の孤独」を読んだ感想 

マコンドの地の100年の時間な流れを描いた作品。実際のコロンビアの19世紀後半から20世紀前半の歴史を元に書かれている。コロンビアの近代化の過程の一コマを切り取ったものでもある。自由党と保守党の紛争。バナナプランテーションの労働闘争。教科書に…

子安美和子著 「エンデと語る」を読んで

ミヒャエル・エンデの著作は「モモ」と「果てしない物語」を読みました。この本を読んでエンデ自身がどんなことを考えて筆をとったのかが伝わってきました。ルドルフ・シュタイナーに強く影響を受けたそうです。この本は80年代の中頃に書かれた本です。エン…

宮本常一著 「忘れられた日本人」を読んだ感想

そこに描かれていた日本人はとてもおおらかでエネルギーに満ちていた。いま二十代の私からすると6、7代前の幕末から昭和前期にかけて生きた人々が実際に体験したことを直接聞いたものを著者がまとめた本だ。この本が書かれてから半世紀以上が経っており、自…

遠藤周作著「イエスの生涯」を読んだ感想

キリスト教とはあまり縁がない人生を送ってきた。小中高と公立の学校へ通ってきたし、近所には教会はなかった。唯一の接点は西洋絵画ぐらいだろう。ルオーやエル・グレコ、レオナルドダビング、ラファエロ、ミケランジェロ。近代以前の西洋美術の歴史はキリ…

5月11日 野菜から考えた無常と具体的であることについて

実家に用事があり、山梨に帰ったらCOVID19の影響で東京に戻れなくなってしまった。大学も閉鎖され暇をしていたら、兄が畑を手伝ってくれという。幼い頃はよく親と一緒に自宅の庭の小さな畑を手伝ったりした。しかし上京し一人暮らしを経験してから農作業を手…